わかりやすく最初に書いちゃうと「マンションとアパートの法律的な違いはない(言ったもん勝ち)だけど目安はある」です。
昔はマンションというと鉄骨鉄筋っぽいがっしりしたイメージで、アパートっていうと昭和な安い物件というイメージでした(日本の場合)。今は高級アパートというブランディングもされはじめていることもあり、なかなか物件の名前だけで判断はできません。とはいえ、一応の目安もあるのでそこのところを詳しく書いていこうと思います。
初心者にも分かりやすいマンションとアパートの違い
一般的に世間に広まってるとされている定義
基本的には、マンションもアパートも大家さんや不動産屋さんが「この物件の名前は○○アパート!」とか「ここは○○マンションって名前にする!」というノリで決まります。
法律的にはマンションもアパートも特に規定はありません。とはいえ一応の判断基準というか一般的に広まってる定義としては、
- マンション・・・階数がそこそこあって鉄骨や鉄筋コンクリートなどで建てられているもの
- アパート・・・階数が多くても3階くらいまでで、木造か軽量鉄骨(建物の骨組みだけ鉄骨)のもの
となっています。
mansion(マンション)のもともとの意味は、大邸宅や館のこと
apart(アパート)が日本で言うマンションの意味だよ
ちなみに”コンドミニアム”というのは分譲マンションを差し、オーナーがホテルとして貸し出すこともある物件
マンションやアパートのほかにコンドミニアムという名称もあります。コンドミニアムというのは、米国やカナダでは分譲マンション(借りるんじゃなくて買うマンション)のこと。リゾート地ではコンドミニアムをお金持ちが買って、それを旅行客に短期契約で貸し出していることもあります。
レジデンスとは日本だとちょっとお高めのマンションにつく名称
本来のレジデンス(RESIDENCE)は、高級住宅という意味です。日本では、お高めのマンションに○○レジデンスというような名前が良くつけられます。高級マンションの宣伝にありがちなマンションポエムがついてるところとか…。例えば、
緑陰と光景に寄り添う、
世田谷経堂の
静かなる邸宅
って公式サイトで書かれてるザ・パークハウス経堂レジデンス。
飛鳥山、
百年を望む丘の邸。
って公式サイトで書かれてるアスカヤマレジデンスというのもあります。
よくあるのが、○○レジデンス+高級そうなイメージの地名
設備的には、コンシェルジュ(フロントスタッフ)や警備スタッフ、ハウスキーパーがいたりするよ
さらに入居者限定のイベント(ゴルフや料理教室など)があったり、スパ施設がついてるところもあります
一般的に言われているマンションのメリットとデメリット
いわゆる普通の賃貸マンションのメリットは、
- 鉄骨鉄筋、コンクリートなどを使用していて防火性能が木造より高い
- 一般的に木造より耐震性が優れていて地震に強い
- 物件自体の耐久性が木造よりも高い
- 木造よりシロアリなどの害虫による被害が少ない
- 音の漏れ(遮音性)も木造よりは良い場合が多い
- マンションによっては防犯カメラやエントランスのオートロックがある
- マンションによっては宅配ボックスがある
逆に賃貸マンションのデメリットは、
- 物件を建てるときのコストが高いのでお家賃も高くなる
- エレベーターがついてる場合は管理費が高くなる
住むほうとしては、特に賃貸マンションのデメリットは木造よりもはるかに少ないので、ぼくは基本的に木造には住んでいません。
一般的に言われているアパートのメリットとデメリット
一般的にアパートと言われている物件のメリットは、
- 木造なので建築費用が安いため賃料も安い
- 木造は通気性が良くて湿気が少なくてすむ
くらいかな…。
逆にデメリットは、
- 通気性が良い≒虫が入りやすい
- 木造だと耐久性が低い
- 安いところほど遮音性が低く、隣でティッシュで鼻をかむ音すら聞こえることもある
- 防犯カメラやオートロックは期待できない
という感じで、家賃が安いところはそれだけデメリットも多くなっていきます。
アパートは木造だけ?
一昔前までは、アパートというと木造で安い物件というイメージが強かったですが、今はアパートメントというブランドとして高級な物件にも使われるようになっています。例えば、アパートメンツ白金三光坂は、物件種別はマンションですが名前はアパートです。
そしていわゆるデザイナーズマンションという分類になり、賃料はなんと22万円(1LDK)ほど。8階建ての鉄筋コンクリート(RC造)の高級マンションですが、名前だけ見るとアパートになります。
木造でも防音対策してるって書いてある物件はホントに静か?
木造物件でも”防音対策バッチリ”なんて物件情報にかかれているものがあります。しかし実際にそういった物件に友達が住んでたのですが、上の人の足音などの生活音はばっちり聞こえてきました。
物件によっては最新の防音技術を使って分譲マンション並のスペックを備えているものもあるようですが、そういう物件は家賃価格にも反映されるので、木造にしては高い物件となっていきます。
アパートは低層階だけ?
一般的にはアパートというと3階建て以下の低層物件を指しますが、そうでない高級アパートもあります。アパートメンツタワー六本木は、18階建てのマンション(鉄筋コンクリート)で、完全に普通のお高いマンションです。賃料は1LDKで階数が低いところは19万円くらいから高いところになると39万円にもなってきます。
さすがに39万円の部屋はリビングが20帖あってそこそこ大きめですが、それにしてもお高い…。基本的に、アパートメンツと名称についてたら高級賃貸マンションです。
クイズ:見た目でマンションかアパートか当ててみよう!のコーナー
問題その1:これはマンション?アパート?
こちらの物件はマンションかアパートか、どっちでしょうか。これは1問目なのでわかりやすいのを持ってきました。
・・・
正解は~
アパート!
ちなみに建物名称で○○ハイツって名前はアパートが多いよ
問題その2:これはマンション?アパート?
こちらの物件は果たしてどっちでしょうか。
・・・
正解は~
名前はアパートですが、分類ではマンションになっています。東京建物不動産販売が提供する高級賃貸のアパートメンツシリーズ。シリーズになってますが、見た目は物件ごとにかなり違います。
問題その3:これはマンション?アパート?
続いてこちらの物件は果たしてどっちでしょうか。コンクリがキレイにデザインされていて、いかにもデザイナーズマンションっぽいですよね。
・・・
正解は~
やっぱりマンションです。大和ハウスグループが提供する高級賃貸マンション。名前の由来はギリシャ神話のカスタリアの泉をモチーフとしてるみたい。ちなみにカスタリアの泉とは、ギリシャ中部、パルナソス山麓の古代都市デルフォイにあった霊泉のこと。なぜこれなのかは…わからない…。
問題その4:これはマンション?アパート?
これもわかりやすいかも…。この物件はどっちでしょう。
・・・
正解は~
アパート!
アパートは物件名がものすごくわかりづらいところに小さく書かれてる場合も多い感じ
問題その5:これはマンション?アパート?
この重厚感あふれる建物はどっちでしょうか?これもわかりやすい問題かも。
・・・
正解は~
完璧にマンションですね。
NTTビジネスアソシエのブランド「ガーデン」シリーズは、とても高級な賃貸向けマンションになります。
問題その6:これはマンション?アパート?
先程、タワーマンションでも名前にアパートがついてるものがあると書きました。はたしてこれはどうでしょうか…?
・・・
正解は~
六本木ヒルズなどで有名な森ビルが提供する高級賃貸物件で完璧にマンションです。
問題その7:これはマンション?アパート?
ここまで来たらもうわかるかも。
・・・
正解は~
もちろんマンションです。東京建物が出している高級分譲住宅Brilia(ブリリア)の賃貸版で、こちらもかなりお高い家賃となっています。
建物によく使われる名称まとめ:アパート、マンションなど
最後に、マンションやアパートなどよく使われる総称をまとめていきたいと思います。
名称 | 一般的な定義 |
---|---|
アパート | 木造の2階建てくらいの共同住宅 |
マンション | 鉄筋コンクリートなど木造以外の共同住宅 |
借家 | 一軒家タイプの賃貸物件 |
コンドミニアム | リゾート地にある分譲マンションをオーナーが短期滞在者向けに貸し出すこともある物件 |
レジデンス | 高級マンションによく使われる |
コーポ | 木造の共同住宅によく使われる名前 |
ハイツ | 共同住宅に使われやすい名前 |
メゾン | マンションに使われやすい名前 |
ハイム | ドイツ語で家の意味だけど共同住宅に使われる名前 |
カーサ | イタリア語で家の意味だけど共同住宅に使われる名前 |
ヴィラ | 英語で郊外の別荘という意味なのに共同住宅に使われる名前 |
パレス | 英語で宮殿という意味だけど、普通の共同住宅に使われる名前 |
シャトー | フランス語で貴族の住居という意味だけど、一般人が住む共同住宅に使われる名前 |
物件を持ってる大家さんは、自分の物件の価値を見た目だけでも高めようとすごい名前をつけがちです。名前に惑わされず、物件の構造、立地、最寄り駅からの距離などしっかりと確認してから契約するようにしましょう。
高級アパートメントはぼくもいつか住みたいあこがれの物件…